53歳と18歳、同じ景色を見た日

長女と小旅行。いや、大学見学に行きました。自宅から大学までは電車を乗り継いで約1時間半。行ったのことのない場所への道のりは、子供が遠足に行くようなワクワクが胸を躍らせます。日曜日朝6時台の電車は人影もまばら。決して平日にはない静かで穏やかな空気が、横並びに座る二人を旅気分へと誘います。

「ガタン、ゴトン……」線路から車中に伝わってくるリズムが、まるでカフェのBGMのように心地いい。自然と二人の会話がリズミカルになります。ふと気づけば、車中に聞こえる会話の声は自分たちだけ。他の乗客は対話する相手もいないせいか、黙って電車に揺られています。

乗り継ぎを間違えることもなく、順調に目的地へと近づいていきます。バスに乗車した時、天候はあいにくの小雨。ですが、そんなことはもはや何の問題でもありません。水分を蒸発させてしまうくらいの高揚感がありました。動くワイパーの間から見えていたのは、名古屋商科大学の入口。

すごい。この一言に尽きるでしょう。なんと、入口がピラミッドの形状をしています。私がイメージしていた大学とはかけ離れていたのです。バスが大学内に進んでいくと、広大なキャンパスが姿を現します。校舎に繋がる道の両側には、ヤシの木が並んでいます。もはやここは大学ではなく、テーマパーク。

バスを降りて、キャンパス内を散策。別世界に降り立った長女は、目を丸くしながら輝きを見せます。私は心の中で、「大学生っていいな。もう一度あの4年間を過ごしたい」と羨望の眼差しに。同時に「もっとまじめに勉強すればよかった」と後悔の念に駆られます。

大学を見学すればするほど、目的を持った人にとって最高の環境が整っています。私はそんなことにも気づかず、時間を浪費してしまったかもしれません。もっと自分を成長させられただろうに。そんな想いが、今さらながらじわじわとこみ上げてくるのです。

まあそれでも冷静に考えると、53歳の自分だからそんな想いにもなるのだろうと。社会人となって、学ぶべきことがたくさんあるからこそ学習意欲が喚起されるのだと思います。年を重ねてから大学生になる人の気持ちが、今なら分かります。本当の勉強は、社会に出てから始まるのではないでしょうか。

帰り道は地下鉄を途中下車。出口のすぐ横に「くろーばー結び日比野店」を発見。迷わず入店します。店員さんが「試食はいかがですか?」と、どらやきを差し出してきます。モチモチした生地の食感が美味しすぎました。お土産に買うことを即決。これは小旅行、いや、大学見学のご褒美に違いない。

長女と過ごした半日。こんな時間は素敵すぎる。きっと私だけ感動に浸っているんだろうな(笑)。


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