昨夜は長女と一緒に映画鑑賞。三か月ほど前から、この日を心待ちにしていました。二宮和也主演の話題作「8番出口」はホラー要素を含んだスリリングな作品。しかもレイトショーを選んだことで、夜の暗さが一層気持ちを高ぶらせます。
屋上駐車場に車を止め、映画館の入口へ歩き始めた時、私は上着を車に置き忘れたことに気づきました。「入口で待ってて」と長女に声をかけて再び駐車場へ。早歩きで戻る途中、ガラス越しに入口で待つ長女の姿が目に入ります。
その瞬間、「随分大きくなったな、もう大人だな」と改めて実感。18歳は成人。父親との接点が少なくなってもおかしくない年ごろです。こうして一緒に映画館へ足を運んでくれることが、ただただありがたい――そんな気持ちが胸に広がります。
私自身の思春期を思い返すと、父との思い出は決して多くありません。記憶の中で鮮明に残っているのは、父に映画へ連れて行ってもらった夜。父はバイク移動が多く、私を後ろに乗せて「直紀、腰を離すなよ」と言いながらエンジンをふかします。夜風が顔に当たり、呼吸がしづらくなるほどのスピード。少し荒っぽい運転は、ジェットコースターのような興奮です。
向かった先は柳瀬商店街の映画館。レイトショーがお決まりで、途中入場することも珍しくありません。あの時に見た「ターミネーター2」の迫力と恐怖、思わず声を出す私と父――今も鮮明に覚えています。昨夜の時間は、そんな記憶と重なっていました。
入場前にコーラとキャラメル味のポップコーンを購入。長女が奥、私が通路側に座り、迫力ある予告編を眺めます。映画館ならではの音響と大スクリーンに身を委ねながら、「やっぱり映画館は特別だ」と感じました。隣では長女がポップコーンを次々と口に運び、つい笑みがこぼれます。
物語に没入し、気づけばコーラの氷はほとんど溶けてぬるくなっていました。エンドロールが流れる頃には、秋風が吹き抜けるような寂しささえ覚えます。
「毎月1日はハッピーファースト」。割引で映画を楽しめるこの日に合わせ、私は手帳に「毎月1日は映画を観る」と書き加えました。
これからどんな名作が心を揺さぶってくれるのか、想像するだけでワクワクします。そしてまた映画館を訪れるたびに、父との記憶を思い出すのでしょう。











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