13年5か月勤めた職場で最後の挨拶

今朝は出勤前から緊張が振りほどけない状態。昨夜は気を紛らわせようと、飲みたくもない缶ビールのプルタブを開けて冷えたグラスに注ぎます。なんとか眠りには就いたものの、朝になるとアルコールの効力はすっかり消えて現実に引き戻されます。

いつもと変わらないルーティンなはずなのに、たったひとつの違いが私の頭を占拠しています。新年度が始まろうとしているこの季節、まさに出会いと別れの時期でもあります。そうです、私は3月末で退職をするのです。だから、営業所メンバーの前で挨拶をせねばならないのです。

車中で見る朝の情報番組からは、やはり番組を去るタレントの挨拶が聞こえます。淡々と話す様子は、滑らかな口調で口ごもることは一切ありません。さすがは芸能人、話すことに長けています。耳障りの良すぎる言葉は、どこか薄っぺらいものを感じてしまいます。

そうこうしている間に、営業所に到着。まだ誰も出勤しておらず、私が一番乗り。所長はわき目もふらず、パソコンの画面に集中しています。こんなに緊張しているのは私だけか。なんだかバカバカしく思えてきます。「河村さん、今日挨拶頼むね」と言われるまでは。

ミーティングの冒頭、オンライン上で異動メンバーの挨拶が行われます。初めての土地に行く人、新職種に挑戦する人、30年ぶりに旧職種に戻る人、わずか一年で転勤する人。別れの言葉に含まれるエピソードは、私に勇気を与えてくれます。そして、次は私の出番です。

何を話したか記憶が定かではありません。が、たぶん、下記のようなことを言ったのではないかと。

私事になりますが、3月末で退職をさせていただくことになりました。入社して13年5か月という期間は、長いのか短いのかよく分かりません。会社を辞めることなど考えもしなかった私が、今こうして挨拶しているなんてどこか信じられない気持ちがあります。

大した能力もない私がここまでこれたのは、間違いなく仲間の存在が大きいと言えます。共感があって、励ましがあって、学び合えたからこそ、凹んだ気持ちを鼓舞することができました。私は弱い人間なので、一人では乗り越えられなかったのではないかと。

「なんで今さら」という声も聞こえてきますが、私にはどうしてもなりたい理想の自分がいます。往生際が悪いというか、諦めが悪いというか、悪あがきというか。最後の最後まで追い求めていきたいと思います。今まで本当にありがとうございました。

挨拶の途中、私にスマホを向けて写真を撮る人がいます。営業所メンバー最高齢の女性です。よく見ると目に光るものが。この光景、一生忘れることはないでしょう。


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