次女14歳の誕生日に、父はまたつまずいた。

12月3日は、次女の14歳の誕生日。今朝もいつもと変わらない様子で、洗面所に立っています。私はヘアアイロンで髪を整える次女に近づき、小さな声で「誕生日おめでとう」と囁きました。

「もー、わかったわ」

面倒くさそうに返す姿は、ある意味いつも通り。中学2年生、思春期ど真ん中です。私の言葉に肯定的な反応が返ってこないのは日常茶飯事。それでも時に苛立ちを抑えられず、口論になってしまうこともしばしば。つい先日も、次女を悲しませるような行動をとってしまい、いまだ反省モードが続いています。

休日に前祝いをするのは、我が家の恒例行事。次女の好物を食卓に並べ、家族全員で大切な時間を過ごします。妻はこの日のために腕を振るい、自家製パスタとピザを準備。言うまでもなく絶品です。プリンを使ったデコレーションケーキは冷蔵庫で待機。食後のお楽しみです。

そのケーキは、人気店「SYANTEI」から次女自身が選んだ特別な一品。スポンジの間にイチゴが入っているかどうか、事前にお店に確認して念入りに準備してきました。「絶対に喜んでくれるはずだ」——私の期待は膨らむばかりです。

そして、いよいよケーキタイム。生クリームが箱に付かないよう慎重に取り出し、次女の前へ置きます。用意したロウソクは「1」「4」「さい」。ここで思わぬトラブルが発生しました。

次女は「さい」のロウソクを「これはいらない」と横に除けてしまったのです。私はその行動を受け入れられず、強引にケーキへ戻してしまいました。その瞬間、次女の表情が曇り、目に涙が滲み始めます。

——あぁ、またやってしまった。

最高の笑顔を生み出すはずだったケーキが、無残にも沈黙したままテーブルに置かれています。誰も口を開かず、時間だけが静かに流れていきました。

ケーキを食べながら次女が「美味しい」と言ってくれたものの、私はその味を全く感じられませんでした。自己嫌悪で味覚すら働かない。その夜も、次女の涙目が何度も頭をよぎり、寝返りを打っては眠れないまま朝を迎えました。

でも、父として、このまま終われるはずがありません。次女を喜ばせるための「次の一手」を考えています。今晩、帰宅後に実行するつもりです。さて、どうなることやら。


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