フェイスブックがくれた、小さな奇跡

先日、何気なくフェイスブックを眺めていたときのこと。「知り合いかも」の表示が目に留まりました。普段はあまり気にしないのですが、なぜかこの日は気になって、写真をスクロールし始めました。見覚えのある名前が並ぶ中に、ふと目が止まる一枚の写真。

「おー、懐かしい!」と思わず心の中で絶叫。そこに写っていたのは、かつて住友生命に勤務していた時代の同期生でした。フェイスブックの顔写真は、あの頃と変わらぬ表情。すぐに本人だと確信しました。

同時に、記憶のスイッチが入ったかのように、あの頃の情景が一気に蘇ります。今から18年前、私は住友生命に中途入社し、千葉県の幕張研修センターで半年間の研修を受けました。同期は全国各地から集まった14名の男性。大企業という安心感があった私たちでしたが、その考えは初日の「激励」で吹き飛びました。

登壇した教官は、「お前ら!返事は100m先まで届く声で出せ!」と怒号。まるで軍隊のような空気に、背筋が凍り付きました。「岐阜支社、河村直紀!」と名前を呼ばれた私は、「はい!!!!!!」と返答。自分でも驚くほどの大声は、教官からの一発OKをもらうことができました。

住友生命ならではの研修もありました。寸劇の発表です。「こんなことが何の役に立つの?」と最初は疑問でしたが、教官の圧に逆らえず、仲間と共に不眠不休で台本を作り、演技の練習に明け暮れました。今思えば、この経験が“チームでやり抜く力”を育ててくれたように思います。

そんな思い出に浸りながら、私はフェイスブックの「友達を追加」ボタンをタップ。すると当日の夜、「ご無沙汰しています😊お元気ですか?」とメッセージ。まさかの反応に、喜びがこみ上げてきました。メッセージのやりとりを重ね、ついには「ぜひ会いましょう」という話にまで発展。

たった一つの行動が、止まっていた時間を動かしてくれた。人生って、本当に面白い。今回の出来事で改めて実感したのは、「待つのではなく、自ら会いに行く」ということ。疎遠になった大切な人に会うことができる、唯一の方法ではないかと思います。

自分の過去を呼び覚ましたい、そんな衝動に駆られます。私は何を求めているのか、私にとって一番大切なものは何か、私が本当に求めているものは。自分探求を続けます。