音楽というのは本当に不思議なものです。歌詞やメロディーを自然と覚えられるだけでなく、当時の情景までも鮮明に蘇らせてくれます。私にとってその力を強く実感させてくれた楽曲が、福山雅治さんの「恋人」でした。大学時代、傷ついた心を幾度となく癒してくれた一曲です。
江口さんとの出会い
忘れもしない、一目ぼれをした女の子の名前は「江口さん」。私が大学2年生の頃、恋人が欲しくてたまらなかった時期のことです。出会いの舞台は、大学近隣のローソン。アルバイトでレジ係をしていた彼女から、お釣りを受け取った瞬間でした。
その天使のような笑顔に、一瞬で恋に落ちました。銃で心を撃ち抜かれたような、落雷で全身がしびれるような、到底言葉では表せない衝撃。以来、私は盲目的に彼女のことばかり考えるようになったのです。
勇気を出した告白
何度かローソンを訪れては、買い物もせずに遠くから彼女を眺めるだけの日々。もちろん彼女は私の存在を知るはずもありません。それでも募る想いは、やがて告白へと突き動かしました。
客が途切れたタイミングを見計らってレジへ行き、勇気を振り絞って「アルバイトが終わったら、外で待っています」と伝えたのです。彼女は驚いた表情を浮かべながらも「わかりました」と優しく返事をしてくれました。たったそれだけで有頂天になる私。今思えば完全な勘違いだったのですが…。
そして失恋、今だから言えること
結末は言うまでもなく失恋。当時はかなり落ち込みましたが、今となっては若気の至りです。こうして文章にすると、思わず赤面するような行動ばかり。「直紀!なにやってんだ!」と過去の自分にツッコミを入れたいくらいです。
それでも残る音楽の力
福山さんの楽曲は、あの頃も今も変わらず私の心を勇気づけてくれます。きっと多くの人も「恋人」を聴いて、胸の奥にある記憶や感情を呼び起こされたのではないでしょうか。音楽の持つ力は、単なるメロディーや歌詞を超えて、人の人生に寄り添い続けるものだと感じます。
「江口さん、今頃何をしているんだろうな…」
そんな淡い気持ちがよみがえる、福山雅治さんの楽曲でした。
コメントを残す