「Girl」を聴くと、大学時代のあの恋が蘇る

YouTubeで「福山雅治」を検索していたら、懐かしい楽曲に再会しました。アルバム「BOOT(ブーツ)」に収録されている「Girl(ガール)」。1992年に発表されたこの曲を耳にした瞬間、大学時代の記憶が鮮明に蘇ってきたのです。特に、当時気持ちを寄せていた後輩との失恋ストーリーが、歌詞と見事に重なります。

私は日本大学農獣医学部に入学し、「農業工学研究会」というサークルに所属していました。メンバーは20名ほど。名目上は学びを深めることを目的としたサークルでしたが、実際は……硬派そのもの。メンバーは全員男子で、「女は無用」が口癖のような集団でした。

サークルに入った当初は、毎日が男同士の絡みばかり。異性の存在が全く感じられない日々は、私が思い描いていた大学生活とはまるで違っていました。合コンや出会いを期待していたあの頃、「大学選びを間違えたかもしれない」と本気で思ったこともあります。

転機が訪れたのは大学3年生の春。先輩たちが引退し、私たちがサークルを引っ張っていく立場になった頃のことです。なんと、サークルに初めて女子が二人入ってきたのです。

「男だけで十分」と豪語していた私たちの態度は一変。まるで別人のように活気づきました。異性がいるだけで、こんなにも人は変わるのかと驚いたものです。もちろん、私もその一人。気づけば、男同士の会話よりも女子の存在にばかり意識が向くようになっていました。

その中の一人がスミコさん。小柄で(たぶん身長は150cmくらい)、素直で笑顔が可愛い、八重歯が印象的な女の子でした。気づけば私は彼女の虜に…毎日が彼女中心の生活になっていました。

思い切って横浜スタジアムへの野球観戦に誘うと、なんとOKの返事。天にも昇るような気持ちでした。デート当日は会話が途切れることなく、とても楽しい時間を過ごせました。夜10時頃に別れたその瞬間まで、すべてが順調に感じられました。

でも、それが最初で最後のデートになるとは。

その後、彼女と二人で過ごすことはなくなり、私はしばらく覇気のない生活に。あきらめようとしても、心のどこかで彼女への想いを抱え続けていました。そんな胸の内を少しだけ癒してくれたのが、福山雅治さんの「Girl」でした。

「だけども~いつしか~二人ちがう未来(あした)見てた~」

この歌詞に何度も心を重ね、自分の気持ちを慰めていました。

もちろん、過去に戻ることはできません。でも、あの頃に聴いていた音楽は、今でも鮮やかに当時の気持ちを呼び起こしてくれます。ふと大学時代の仲間たち——こまっちゃん、わたなべくん、こちゃくん——元気にしてるかな? そんなふうに懐かしさに浸ったあと、また日常の自分に戻っていくのです。

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