今日は終日雨模様。東海地方は昨日梅雨に入りました。この時期は憂鬱になる人が多いのではないでしょうか。私もそのうちの一人なのかもしれません。洗濯が大好きな私にとっては、外に洗濯物を干すことができないのは残念でなりません。洗濯物が天日に当たり、風に揺られる光景が見られないのです。
これからしばらくは、パッとしない気分が続きそうです。そんな私ですが、実は雨降る夜が大好きなのです。ただし、雨なら何でもいいというわけではありません。私が好むシチュエーションがあります。それは子供の頃の体験が影響しているのではないかと思います。
私は小学校高学年になったころから、自分ひとりで寝るようになりました。それまではおばあちゃんと一緒の布団でしたが、両親から自立を促されベッドに移動しました。最初はとても寂しい思いをしたことをよく覚えています。なにしろ、私は相当なおばあちゃん子ですから心細さも一入です。
そんな心境の時に、自然と耳に入ってきた雨音。私は眠りに陥るまで、何度も寝返りを打ちながら耳を傾けるのでした。「もしかしたら、この雨に打たれ辛い思いをしている人がいるかもしれない」「自分は部屋の中で、雨にも寝れずベッドの中にいる」「自分は満たされている…」この状況が妙に心を幸せにしました。
あれこれ考えていると、いつの間にか眠りに就いて翌朝を迎えます。私にとって雨音は、寂しさを紛らわせる効果があったのかもしれません。そして次第に心落ち着く音となり、好きになったのだと。だから夜寝る前に雨音が聞こえてくると、何とも言えぬしみじみとした気持ちになるのです。
子供の頃に経験した一つひとつことが、今の私を作っているのだと感じます。雨音のエピソードは大したことではありませんが、日常の些細な場面にそれが表れるのです。そう考えると、何も意味を持たない経験などありはしない。人間形成の深さを思い知らされます。
この文章を書いている今も雨がしとしと降っています。きっとしばらくはこの状態なのでしょう。そろそろベッドに入ろうかと思います。雨音が聞こえてくることで、子供の頃の自分を想像します。私にありったけの愛情を注いでくれた、おばあちゃんのことを思い浮かべながら眠ることにします。おやすみなさい。
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