最近、我が家で再び熱を帯びているのは、家庭用ゲームの『マリオカート』。私と娘たちが本気で競い合うレースです。ゲームとは本来、楽しむためのもの。しかし、我が家の参加者は全員が負けず嫌い。気がつけば、「楽しむ」より「勝つ」ことが目的になっています。
勝負は、ゲームが始まる前から始まっています。テレビとの距離、ソファの座る位置、コントローラーの種類……。自分の実力を最大限に発揮できる環境を整えるところから、勝負は始まっているのです。「たかがゲーム、なぜそんなに真剣になるの?」と笑われそうですが、知らず知らずのうちに“勝ち”にこだわるようになっていました。
レース中には、アイテムを使ってライバルの走行を妨げることもできます。その使い方次第で順位が大きく変わるため、つい相手の反感を買ってしまうことも。勝つことに徹するあまり、手段を選ばなくなり、不穏な空気が漂うこともあります。
私は子どもの頃からテレビゲームが大好きでした。学校から帰ると、友達と夕方まで夢中になって遊んでいたものです。特に野球ゲームでは、勝ったときの喜びや負けたときの悔しさを、心の底から味わっていたことを思い出します。
そして今、大人になっても「ゲームで負けたくない」と思う自分が変わっていないことに気づきました。大人気ないと思う反面、それが自分を素直に見つめ直すきっかけにもなっています。10代の自分と50代の自分。もちろん成長はしているけれど、心の中の“童心”はそのまま生きているのだと感じます。
「勝負に勝つ」ということは、決して相手を蹴落として自分が優位に立つことではありません。私の中で最大のライバルは“自分自身”です。怠けてしまう自分、先延ばしにしてしまう自分、他人を責めてしまう自分。そうした理想からかけ離れた自分と日々勝負しているのです。
テレビゲームは、ただの遊びかもしれません。でも、私にとっては真剣そのもの。何事もやるからには本気で。情熱を燃やし、「勝ちにこだわる」ことで、自分の理想像に一歩ずつ近づいていきたい。たとえ対戦相手が娘たちであっても、容赦はしません。これからも、真剣に、そして真面目に、楽しみたいと思います。
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