我が家には料理が趣味の妻がいます。その腕前はまさにプロ顔負け。今回、彼女が作ってくれたのはベーグルでした。パンとは違った独特の食感と噛み応えがあり、私も娘たちも大好物。テーブルに並ぶと、ついつい取り合いになってしまうほどです。
ベーグルを作る工程を初めてじっくり見たときは驚きの連続でした。粉から生地を練り上げる様子は、まさにパン職人そのもの。手際よく生地がまとまり、整形され、具材が詰められていく様子には、ただただ感心するばかりでした。
出来上がったベーグルは写真で送られてきました。その瞬間、画面越しに見たベーグルの美しさに目を奪われ、「これは今すぐかぶりつきたい!」という衝動に駆られました。仕事の手も自然と緩み、頭の中はベーグル一色に。
帰宅すると、テーブルの上には籠に盛り付けられたベーグルがずらり。とはいえ、まずは夕食を済ませます。普段なら満腹になるまで食べるのですが、その日は違いました。ベーグルのために、お腹の余白をちゃんと残しておくことにしたのです。
そしていざ、ベーグルを食べようとしたその時。リビングでテレビを見ていた次女が一言。「私の好きなベーグル、食べないでね!」——どうやら、具材の違いで好みが分かれているようです。私は次女に怒られないように慎重に選び、いざ、ひと口。
もう、最高でした。
モチモチとした生地の食感、しっかりとした噛み応え、そして具材との絶妙なハーモニー。気づけば夢中で食べ進め、あっという間に完食。その後は、口の中に残る余韻を味わいながら、しばらくゆったりと過ごしていました。
——が、ここで事件発生。
どうやら、私が食べたのは次女が一番好きなベーグルだったようで、悲しみの声が…。もっと慎重に選べばよかったと反省しました。幸い、妻がやさしく次女を諭してくれて、その場はすぐに和やかになりました。
今回のことで、私は改めて思いました。料理に没頭する妻の姿は、本当に輝いていて、見ているだけでこちらまで力をもらえます。好きなことに夢中になる時間は、人生を豊かにしてくれるのだと感じました。
私も自分の好きなことを見つめ直し、目標に向かって走り続けていこう。そんな気持ちにさせてくれた、ベーグルと家族の物語でした。
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