久しぶりにテレビドラマをじっくり見ました。夜10時ともなると、我が家のリビングは無人になります。妻と次女は寝室へ、長女は勉強部屋へと移動。私は静まり返ったリビングでひとり、ソファに足を投げ出しながら寛ぎます。
テレビの電源を入れると、目に飛び込んできたのはドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」。俳優・竹内涼真さんの演技から伝わってくる、何とも言えない魅力に惹きつけられ、思わずリモコンを置いてしまいました。場面は同棲する男女の夕食から始まります。
テーブルには美味しそうな料理が並び、二人で仲良く食事をする姿。竹内涼真さん演じる彼氏・海老原勝男は、夏帆さん演じる彼女・山岸鮎美の手料理を絶賛します。ところがその直後、「完璧だ。…でもあえて言うなら、もう少し色どりが欲しい」と上から目線で一言。我が家で同じことを言おうものなら、間違いなく炎上です(笑)。
場面は変わり、彼氏はプロポーズに向けて準備を進めます。夜景の見えるレストランを予約し、ネクタイを新調し、指輪のサイズを調査。手帳に書いた行動リストをひとつずつチェックしていく姿に、「完璧!」と自信たっぷりな表情。その姿は、まるで自分を見ているようでした。
私は計画を立て、その通りに物事が進むことに充実感を覚えるタイプです。仕事はもちろん、家族旅行でも事前準備を怠りません。分刻みのスケジュールを組み、自分がリードして進めていくのです。時間を無駄にしない配慮のつもりでした。
ドラマが進むにつれ、海老原勝男の独りよがりな性格が浮き彫りになっていきます。いよいよ迎えたプロポーズの場面。自信満々で指輪を差し出した瞬間、彼女から返ってきた言葉は「無理」。彼は突然、別れを告げられてしまいます。その後、合コンでも浮き、仲の良い後輩からも距離を置かれる彼の姿が描かれます。
その瞬間、私はハッとしました。もしかしたら、私も海老原勝男のように「自分の正解」を家族に押し付けていたのではないか。相手のためと思っていたことが、実は自己満足になっていたのではないか。ドラマはロマンスコメディのはずなのに、笑うどころか胸が締めつけられるような気持ちになりました。
大切な人が離れていくとき、原因を相手に求める前に自分自身を見つめ直す。頭では分かっていても、つい相手を責めたり、自分を正当化したりしてしまうものです。このドラマは、そんな私に自分を客観視する時間を与えてくれました。
第2話はどんな展開になるのでしょうか。きっとまた、自分自身と重ね合わせながら見ることになるに違いありません。











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